書籍レビュー

「カラダマネジメント術!」 健康経営、働き方改革に役立つ書籍レビュー vol.8

今回も健康経営や生産性向上に役立つ書籍のレビューをお届けいたします。

今回ご紹介させていただくのは2010年にマガジンハウスより出版された「カラダマネジメント術!」本田 直之(著)です。

この記事をお読みいただいているあなたは今何歳ですか?
私たちの体は、実は思った以上に早期から老化が始まります。

例えば、下半身の筋肉量は、20歳をピークに、60歳で50%減。
平衡感覚は30%減すると言われています。

いつまでも思うように体を動かすことができ、思考をクリアにさせるために、本書でいう

「カラダマネジメント」

に関して、一度関心を持たれると良いかもしれません。

「カラダマネジメント」が必要になってきた背景

 

利便性が大きく向上した現代の日本。
究極を言ってしまえば、通勤を除き、一日中座りっぱなしでも仕事ができる時代。

昨年編集部では、とある会社のオフィスで働いている方々を対象(n=25)に、
万歩計を装着し、1日の歩数を測って見ていただいたところ、

1日8000歩程度を推奨されていながら、
なんと1日1000歩も歩いていない方がいらっしゃったことに、
改めて現代人の運動不足を痛感しました。

平成20年の国民健康・栄養調査でも、30代で運動習慣がある人は20%以下。
平成21年の体力・スポーツに関する世論調査でも、運動不足を感じる人は73.9%と過去最高を記録しています。

本「カラダマネジメント術」の中で著者は

1990年代までは日常で体をよく動かしていたし、食生活もシンプルだったので、今ほどフィジカルにもメンタルにもストレスがかかる環境ではなかったと思います。しかし21世紀以降、ネットや交通機関が高度に発達して便利になり、ジャンクフードを口にする機会が増えたので、積極的に体マネジメントとしないと健康は保てなくなりました。

と、現代では自然と体を動かす機会が減少したため、能動的に体を動かす必要性を訴えています。

「カラダ負債」という考え方

 

 

 

 

 

 

 

 

カラダマネジメントを考える中で、1つわかりやすい例えが記載されていますのでご紹介します。

人は急に体型が乱れたり、体調が悪くなったりするわけではなく、見えない体への悪影響が積み重ねがそれらを引き起こすのです

冒頭で著者はこう語り、その目に見えない悪影響を「カラダ負債」と呼んでいます。

30代になる頃から、簿外債務のように、目に見えないカラダ負債が溜まってきます。そんな30代のなんと8割が運動不足だというのですから、これは危機感を持たなければなりません。

確かに30代のうちには何の健康トラブルも発生しないかもしれません。
しかし、そのままカラダ負債を貯め続けると、40代、50代になって、債務超過による破産という事態が起こり得るのです。

カラダマネジメントを習慣化すると「負債」ではなく、「利息」を積み立てられます。勉強も運動も、社会人は学生のようにがむしゃらにやってもダメ。限られた体力と時間を有効活用するような、効率的な方法でトレーニングする知恵と工夫が必要です。

運動が習慣化できないあなたへ

習慣化、とはどういうことでしょう。

毎朝、歯を磨くのに、「今日は歯を磨こうか、それとも磨くのをやめようか」とは悩まないものです。(中略)いちいち悩まずに毎日できるのは、例えば「朝食を食べたらすぐに歯を磨く」などのパターン化をしているからです。

習慣化までにかかる時間は、世の中では3週間〜3ヶ月と言われています。すなわち、人によって大きく異なるのです。

習慣化に有効な手法は、あまた情報が溢れていますが、ここでは大きく4つをあげています

1)危機的状況に陥ること
2)外部強制力に頼ること
3)成果が目に見えること
4)環境を整えること

1)は例えば、「あと3キロ痩せないと失明するぞ」と言われたら兎にも角にもダイエットを人はするでしょうし、「3ヶ月後にアメリカへ転勤だ」と言われたら英会話に没頭するでしょう。つまり、切迫する状況下に置かれることで、人は継続的に物事に取り組むことができるのです。

ただし、カラダの健康管理に関して危機的状況を作るのは、そのこと自体がそもそもリスクになります。よって、2)〜4)を本書でもオススメしています。

詳細は、本書「カラダマネジメント術」をお読みいただければと思いますが、ポイントは

「一緒に取り組む仲間をつくること」
「継続できるような環境を整えること」

です。

例えば、ジョギング仲間を作ることで、一人ならサボってしまう週末のジョギングに行かざるを得ない環境になります。また、同じように頑張る仲間の存在は、継続するモチベーションにもなりえます。

また、玄関にすぐ履ける状態でランニングシューズがあれば、走ろうと思った時にすぐにスタートすることができます。
ジョギングが楽しくなるような音楽やお気に入りのコースなどを作っておくことも環境を整えるという中に入ります。

大人の運動は「量より質」

本書内で著者は、

カラダマネジメントに根性論は不要。お金もあり、知性も経験もそれなりにあるのだから、合理的で効率的なトレーニング法を身に付けたい

と言っています。

すなわち、体育会系のがむしゃらなトレーニングは、現代の社会人には不適切であり、以下の5つのステップでトレーニングを行うべきだということです。

知識のインプット→実践→フィードバック→修正→トレーニング→(始めへ)

まさに、仕事におけるPDCAサイクルのカラダ版ですね。

まずは競技ごとに相応しいフォームの知識を専門書やネット経由でインプットします。知識を得たら、次にそれを実践してみます。それをトレーナーやアドバイザーに見てもらい、フィードバックをもらってフォームや姿勢をチェックします。フィードバックを元にフォームを修正して、ちゃんとフォームが固まってから本格的にトレーニングを開始。(中略)このサイクルを繰り返していくと、無駄な努力をしなくて済むようになります

つまり、30代からの大人のトレーニングは量より質。時間と体力を効率的に活用して、最小限の努力で最大限の成果を求める、ということです。

編集部では、カラダマネジメントの重要性を認識しており、日々簡単にできるエクササイズとして、移動時エスカレーター禁止令を発令しています。
なぜなら、階段をのぼることは平地を歩く数倍の運動効果があるとされており、短時間で運動効果が期待できるためです。

皆様も、仕事の合間や、通退勤の隙間時間でできる効率的なエクササイズを見つけてみてはいかがでしょうか。

今日から始めよう!
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加藤 功甫

加藤 功甫

シニアコンサルタント株式会社Bodytune-Partners
NPO法人Connection of the Children 代表理事 一般社団法人日本スポーツ&ボディ・マイスター協会 ディレクター 横浜国立大学大学院修了。運動生理学修士。 元中高一貫校保健体育教師。 2011年、25社の協賛を得て、ユーラシア大陸2万キロを自転車横断。 各地の教育機関を訪問し、教育の可能性を研究。 2013年、非営利活動法人を立ち上げ、グローバルでローカルな教育プログラムを開発。全国の教育機関でプログラムを実施している。 2014年より、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会でスポーツイベントの企画運営に関与。 年間150回のイベントのオーガナイズを実施。 主な研修テーマはレジリエンス、マインドフルネス、コミュニケーション、チームビルディング、キャリア、多文化共生。 2013年、2014年トライアスロン(ロング)日本代表 2015年、サハラマラソン250kmを完走。 資格 小学校教諭専修免許 中学校教諭専修免許(保健体育) 高等学校教諭専修免許(保健体育) 水泳1級 書籍 『ユーラシア大陸自転車横断2万キロの旅』 (枻出版社 2012)

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