書籍レビュー

「疲れない身体をいっきに手に入れる本」 働き方改革、健康経営に役立つオススメ本レビュー vol.9

今回も働き方改革や生産性向上に役立つ書籍のレビューをお届けいたします。

今回ご紹介させていただくのは2016年に講談社より出版された「疲れない身体をいっきに手に入れる本」藤本 靖(著)です。

「疲れ」とは厄介なものです。睡眠不足が続いたり、肉体労働を続けたりした際に感じる疲れは原因が明快ですが、そうではなく、たくさん寝たはずなのに体が重かったり、身体を動かさずに座っていたにもかかわらず全身疲労を感じたりすることもあります。

疲れが取れない原因は身体のセンサーにあった?!

では「疲れ」はどこから来るのでしょうか。

本「疲れない身体をいっきに手に入れる本」で著者は

疲れが取れないのは「体のセンサーの使い方が悪い」からです

と言っています。
しかし身体のセンサー、といってもピンときません。

ここでいう「センサー」とは、「目・鼻・口・耳」と言った
外部刺激を感知する身体の器官を指します。

身体のセンサーの使い方が悪い=うまく機能しないと、
身体全体が緊張し、その緊張が身体の疲れとして表面化するのです。

なぜならば、この4つの器官は、頭蓋骨の中央に位置する
「蝶形骨」と呼ばれる身体のバランスを調整する骨と密接なつながりがあるため、
各器官の緊張が、ダイレクトに蝶形骨に伝わり、その結果として、
蝶形骨を経由して、体全体にその緊張が伝達されてしまうからです。

疲れない体になるために必要なこと

身体のセンサーの使い方が悪いと疲れるならば、すなわち逆手に取れば、
4つの器官(目・鼻・口・耳)をほぐしてリラックスさせてあげれば、
その弛緩は蝶形骨を経由し、全体に伝達。身体全体がリラックスするということになります。

そこで、本書で紹介されている、身体センサーを整え、身体をリラックスさせる方法が

「耳を引っ張る」

ということです。
耳を引っ張る?と不審に思う方も多いのではないかと思いますが、
もちろん思い切り左右に引っ張るわけではありません。

先ほど、目・耳・鼻・口は蝶形骨と密接なつながりがあるとお話ししましたが、
耳は、蝶形骨の左右に1つずつ付いているため、
耳を優しく左右に引っ張ることで、蝶形骨もつられて左右にストレッチし、
緊張して固まっていた蝶形骨がほぐれます。

蝶形骨は全身のバランスを調整する骨とお伝えいたしましたが
もう少し分解してご説明すると、
蝶形骨と、横隔膜、骨盤底という部位が繋がっています。

横隔膜も、骨盤底も身体の芯に位置しているため、
蝶形骨が緩むと、つられて横隔膜、骨盤底もリラックスし、
例えば、横隔膜が緩むことで呼吸が楽になる、というカラクリです。

現代人がもっとも凝っているセンサー

本書でいう身体のセンサーは目・耳・鼻・口の4つであるとお伝えいたしましたが
その中で現代人がもっとも酷使しているのは紛れもなく「目」です。

人はもともと視覚情報に大きく支配されていますが、
特に現代人は、目の本来の使い方と異なる動作をしているため、より目を酷使しています。

少し本書からは話が逸れますが、人間はもともと、

「遠くのものを見るとき、身体を緊張させ集中力を高め、
近くのものを見るとき、身体を弛緩させリラックスする」

という習性がありました。これは、狩りの時獲物を捕らえる際に遠くを見て、
帰宅し家族と団欒しているときは近くにピントを合わせリラックスしていたことに起源があると
言われています。

一方現代人を見て見ると、近くにあるパソコンやスマートフォンなどの画面を
集中して捕らえているので、本来の目の使用とは異なった使い方をしているため
余計に目が緊張し、結果身体全体にその緊張が行き渡り、様々な悪影響が出ているのです。

正しいセンサーの使い方

本書で著者は、

身体は、自然に楽なところで自分を支えて疲れを最小限にしようとする働きを生まれながらに持っています。

と言っています。よって、ただ自然に立ち、自分のどの部分にどんな力が入っているかを観察。
それにより、身体の中につながりを見つけることができ、これだけで少し楽になります。

また、先ほど現代人がもっとも凝っている身体のセンサーは「目」であるとお伝えしましたが、
自分の体を観察した際、自分の目が疲れていると感じた際には、次の4ステップを試して見てください。

1)まぶたの上から目で眼球に優しく触れる
2)眼球で呼吸しているような意識を持つ
3)眼球に触れたまま、眼球を上下左右斜めに動かす。
(実際にそこにあるものを見ているようなイメージを持つとわかりやすい)
4)眼球の縁を指でなぞり眼球が浮いていることをイメージする

加えて、パソコン作業で腰や背中が疲れるのも、目の緊張による姿勢の乱れが原因であるとも言われています。よって、パソコン作業で疲労を感じた際は、次の4ステップを試して見てください。

1)パソコン画面を見たままで、周辺空間を意識する
2)今、聞こえる音に注意を向ける
3)目を凝らすのではなく、情報が自然に目に入ってくるという意識をする
4)視覚野(後頭部)から見ている意識を持つ

他にも、目・耳・鼻・口の4つのセンサーをどう緩めるのかが、本書ではイラスト入りで詳しく説明書きがしてありますので、詳しくは本書をご覧ください。

本書の表題「疲れない身体をいっきに手に入れる本」という部分に関して、編集部として必ずしも同意はできません。なぜなら、世の中に「いっきに手に入れる」などという画期的な方法はないのです。毎日の積み重ねが、私たちを作っています。

たしかに日々身体をくまなく整えている人ならば、一度この方法を試すだけで疲れは取れるかもしれませんが、
長い間身体のメンテナンスをしてきていない多くの現代人は、今日身体のメンテナンスを始めたからと言って、
その日に全てが解決するなどという虫のいい話はありません。

しかし蝶形骨を緩ませるという考え方や、その方法に関して言えば、否定はなく、むしろ短期的ではなく、
長期的な視点でその方法を実践するべきだと思います。

耳を引っ張るエクササイズならば、オフィスにいようとも、家にいようとも、どこででも試せますので、
まずは一度、試して見てはいかがでしょうか。

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加藤 功甫

加藤 功甫

シニアコンサルタント株式会社Bodytune-Partners
NPO法人Connection of the Children 代表理事 一般社団法人日本スポーツ&ボディ・マイスター協会 ディレクター 横浜国立大学大学院修了。運動生理学修士。 元中高一貫校保健体育教師。 2011年、25社の協賛を得て、ユーラシア大陸2万キロを自転車横断。 各地の教育機関を訪問し、教育の可能性を研究。 2013年、非営利活動法人を立ち上げ、グローバルでローカルな教育プログラムを開発。全国の教育機関でプログラムを実施している。 2014年より、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会でスポーツイベントの企画運営に関与。 年間150回のイベントのオーガナイズを実施。 主な研修テーマはレジリエンス、マインドフルネス、コミュニケーション、チームビルディング、キャリア、多文化共生。 2013年、2014年トライアスロン(ロング)日本代表 2015年、サハラマラソン250kmを完走。 資格 小学校教諭専修免許 中学校教諭専修免許(保健体育) 高等学校教諭専修免許(保健体育) 水泳1級 書籍 『ユーラシア大陸自転車横断2万キロの旅』 (枻出版社 2012)

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