書籍レビュー

「ポジティブ脳の使い方」 健康経営、働き方改革に役立つ書籍レビュー vol.5

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加藤 功甫

加藤 功甫

シニアコンサルタント株式会社Bodytune-Partners
NPO法人Connection of the Children 代表理事 一般社団法人日本スポーツ&ボディ・マイスター協会 ディレクター 横浜国立大学大学院修了。運動生理学修士。 元中高一貫校保健体育教師。 2011年、25社の協賛を得て、ユーラシア大陸2万キロを自転車横断。 各地の教育機関を訪問し、教育の可能性を研究。 2013年、非営利活動法人を立ち上げ、グローバルでローカルな教育プログラムを開発。全国の教育機関でプログラムを実施している。 2014年より、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会でスポーツイベントの企画運営に関与。 年間150回のイベントのオーガナイズを実施。 主な研修テーマはレジリエンス、マインドフルネス、コミュニケーション、チームビルディング、キャリア、多文化共生。 2013年、2014年トライアスロン(ロング)日本代表 2015年、サハラマラソン250kmを完走。 資格 小学校教諭専修免許 中学校教諭専修免許(保健体育) 高等学校教諭専修免許(保健体育) 水泳1級 書籍 『ユーラシア大陸自転車横断2万キロの旅』 (枻出版社 2012)

今回も健康経営や生産性向上に役立つ書籍のレビューをお届けいたします。

今回ご紹介させていただくのは2016年に学研プラスより出版された「ポジティブ脳の使い方」茂木健一郎 (著)です。

 

 

 

 

 

「ポジティブ」という言葉は、すっかり私たちの生活に馴染みのある言葉になっています。

今回は、「ポジティブ×脳科学の分野でご活躍の茂木健一郎さん」という組み合わせで「ポジティブ脳」という切り口から、生産性向上のためのヒントを探ります。

 

ポジティブの罠

①根性論が好き
②評論家的な言動が多い
③口癖に「たら」「れば」が多い
④言うことのスケールがとにかく大きい
⑤結局行動に移せていない
⑥他人の評価がとにかく大切
⑦良い・悪い、高い・低いなどの世間の基準で判断する

7つほどキーワードを羅列してみましたが、「自分が当てはまる」、もしくは、
「あ、これはあの部署のあの人にあてはまるな」と感じることはあるでしょうか。

じつは、上記の7つのワードは、すべて「偽物ポジティブ」である、
と本書「ポジティブ脳の使い方」の冒頭で著者は語っています。

つまり、「ポジティブ」という言葉を語る上で、そこには、
本物ポジティブと偽物ポジティブがある、ということです。

偽物ポジティブの特徴は、「無理やり前向き」であること。

では本物ポジティブとはどう言ったものなのでしょうか。
偽物ポジティブと対比させて本書では同じく7つのキーワードがあがっています。

❶具体論が好き
❷アスリート的な言葉
❸口癖に「なぜだろう?」「してみよう」が多い
❹言うことのスケールが等身大
❺小さくてもいいから、実現性の高いことを目指す
❻他人と自分を必要以上に対比しない
❼自分らしいオリジナルな考えを持っている

偽物ポジティブと比べて、無理のない範囲、自然体、なことが見て取れます。

 

ポジティブとネガテイブの意外な関係性

私たちはとかく、ネガティブ感情を忌み嫌います。

可能な限り、ボジティブでありたい、ネガティブは悪、なんて思うことも。

しかし本来、ポジティブ感情とネガティブ感情は切り離せるものではなく、
まさにコインの面裏のように、表裏一体の関係性なのです。

すなわち、ネガティブ感情があるからこそ、ポジティブ感情が生まれうるのです。

無菌室の中で育つと、私たちが本来持ち得ている免疫機能は退化してしまいます。
適度に雑菌と共存することで、免疫が強化されていくように、
ポジティブ感情も、その対極となるネガティブ感情とうまく共存することで、
強化されていくのです。だからこそ、ネガティブ感情を忌み嫌ってはいけないのです。

とはいえ、いきなり共存といわれても、、、とお思いの方は、
まずはネガティブ感情を切り捨てるのではなく、
その存在を理解し受け止めて見るのが大事だそうです。

 

脳の基礎体力をつける

本物ポジティブな行動をしたいけれど、思ってはいるものの行動に移せない、とお困りの方には、

いきなり100点を目指さずに、5点でもいいので小さな行動を実施しましょう

と本書ではお勧めします。
なぜなら、私たちの体が日々のウォーキングやジョギング等の低負荷の運動によって
基礎体力が鍛えられるように、実は脳も小さな行動を重ねることで、
本物ボジティブな行動を起こすことに対するハードルが下がっていくからです。

では、具体的に「小さな行動」とはなんでしょうか。それは、

目の前のことを善悪判断せず、ただ淡々と今ここに集中すること

であると、著者は言っています。
運動でも、食事でも、読書でも、自分の呼吸に意識を向けることでも構いません。

生活していると様々な出来事が発生しますが、大切なのは運にも、人にも、状況にも左右されず、
淡々と継続して、小さな行動を積み重ねることです。

具体的に、どんな行動をすべきなのか、また、ポジティブ脳を十二分に活用するためには
どうしたらいいのか、に関しては本書をご覧ください。

 

好奇心は人生の羅針盤

最後に、「退屈」というのはネガティブな感情だと捉えがちですが、
実は新しいものを欲している好奇心に満ちた状態とも言えます。

世の中には無数の情報や知恵が存在しますが、それらはいわば
私たちの暮らしを豊かにする「教養」とも言えます。

教養とは英訳するとリベラルアーツと訳されますが、リベラル=自由
すなわち、教養を身につけることにより、人間は自由なるのです。
しかし、本書でも著者は

教養とは、広い海のように深く広い

といっています。広大な海原を進むには、羅針盤が必要ですね。
私たちが教養という大海原を航海する際に使う羅針盤、それが「好奇心」なのです。

「好奇心=人生の羅針盤」という著者の意見を目にした時、さすが茂木さん、と編集部は脱帽しました。

常に周囲にアンテナを巡らし、好奇心のおもむくままに航海を続ける。
航海の最終地点は遠く、そこからの逆算による航海は、困難を極めます。

目の前に広がる好奇の世界に、時間を忘れるくらい没頭することで、
未来は繋がっていくのかもしれません。

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