書籍レビュー

「脳が冴える15の習慣」 健康経営、働き方改革に役立つ書籍レビュー vol.6

今回も健康経営や生産性向上に役立つ書籍のレビューをお届けいたします。

今回ご紹介させていただくのは2006年に NHK出版より出版された「脳が冴える15の習慣」築山節(著)です。

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プレゼンティーズムという言葉が、今、ビジネスの現場で大きく取り上げられています。

「プレゼンティーイズム」とは、従業員が出社していても、何らかの不調のせいで頭や体が思うように働かず、本来発揮されるべきパフォーマンス(職務遂行能力)が低下している状態のこと。日本語では「疾病就業」と訳されます。(中略)全米では年間約1500億ドルの損失が出ているといわれます。 ー日本の人事部 

脳力をアップさせ、今、やるべき業務に集中できることは、プレゼンティーズムを打破する一つの打開策になるのではないでしょうか。

 

人間の脳は機械ではない

 

当たり前ではありますが、本書で筆者は

人間の脳は機械じゃないですから、24時間同じ性能を発揮できるわけではありません。生体としての脳が活発に働きたい時間、休みたい時間という周期を繰り返しているものなんです。

と言っています。

海外出張や海外旅行において「時差ボケ」を体感されたことがある皆さんも多いのではないでしょうか。
時差ボケはまさしく、脳のリズムと、生活のリズムが乖離することで発生します。

時差ボケは一時的な現象ですが、もし、日々の生活の中で、脳のリズムと生活のリズムの乖離が恒常的に続くとどうなるのでしょうか。

脳機能が働かない時間を長くすることは、必然的に脳の訓練の機会を減らします。そうすると、今度はそれが原因となって脳機能が低下し、さらに人と話すことが苦手になったり、思考が長く続けられなくなったりする。

日々の生活のリズムが不規則であることで、私たちは脳力低下の危機に常に直面しているのです。

 

脳の特性と脳力発揮に必要な事

では、脳のリズムと生活のリズムの乖離を予防するには何をすればいいのでしょうか。
本書で筆者は

生活の原点を作る以外にありません。朝7時なら7時と決めて、なるべく同じ時間に起きてください。

と、起床時刻を揃えることを提唱しています。

その上で、朝から活発に脳を働かせるために、脳のウォーミングアップの必要性を訴えています。

脳のウォーミングアップとは、具体的には、

1)一定時間に起きる
2)太陽の光を浴びる
3)足・手・口を意識的に動かす動作をする

の3ステップです。

本書で推奨している3)の動作としては

散歩などの軽い運動・部屋の片付け・料理・ガーデニング・音読(10分以上)・人と会話する

などが挙げられています。
それぞれ、見たところ足・手・口を動かす、ということはイメージがつきますが、詳しい効用は本書をご覧ください。

 

睡眠の隠された真実

睡眠には大きく2種類があることは今や周知の事実です。
レム睡眠とノンレム睡眠と呼ばれる睡眠です。

では、「レム」「ノンレム」とはなんのことでしょうか。

「レム」とは「Rapid Eye Movement」の頭文字を取ったものです。
「急速眼球運動」と訳されますが、まさに文字通り、
レム睡眠中、私たちの眼球は、瞼の下で細かく動いているのです。

つまり、レム睡眠中私たちの脳は、パソコンの電源を落としたように
シャットダウンしているのではなく、活動状態にあるのです。

では、その時間、脳は何をしているのかというと、
その日に得た情報の取捨選択(保存するか捨てるか)をし、
「記憶の定着」と「思考の整理」を進めています。

朝、アイディアが浮かびやすいのは、

1)レム睡眠中に頭の中を整理し
2)ノンレム睡眠中に脳をリフレッシュしている

からなのですね。

そう考えると、「睡眠」=「休息」ではなく、
「睡眠」=「休息+思考整理」という複合的なものなのですね。

逆に考えると、睡眠を削ることで、脳は休息が取れないだけでなく、
情報を整理する時間が取れなくなり、脳内が散らかった部屋状態になってしまうのです。

散らかった部屋の中から物を探すのは大変ですね。

 

2D→3Dへ。ライフスタイルをシフト

 

 

 

 

 

 

 

 

本書では、脳が冴える法則を15の習慣に分けて分析していますが、
逆に、脳が錆びる大要因として

「小さな平面を見すぎている」

ことをあげています。

小さな平面?と訝しむかもしれませんが、この記事を読む皆様も、この記事を書く編集部も
恐らく100%当てはまります。

小さな平面、すなわち、スマートフォン、パソコン、ゲーム、テレビなどの現在の私たちの生活とは切り離せないものたち。

筆者は、この平面を見続けることが脳を錆びさせる大きな原因だと言っています。

「平面を見続ける=目をあまり動かさない」と言えます。

目を動かさないことで、人は、

1)反応が遅くなったり
2)周囲の変化に疎くなったり
3)物忘れが激しくなったり

します。なぜなら、目を動かさない情報受信は、
発信と受信が明快に別れた「受動的な情報取集」となってしまい、
自らが脳を使って考えたり、反応する必要がないからです。

しかし、今更ITフリーな生活は不可能。
筆者は、対策として平面と対称に立体的に物事を捉える必要性を説いています。

すなわち、目を動かすこと。
手を動かすこと。足を動かすこと。

テレビの代わりに本を読んでみたり、
メールの代わりに手紙を書いてみたり、
ゲームの代わりに近所を散歩してみたり

自ら進んで情報を得る、能動的な情報収集をすることで
脳はみるみる活性化します。

 

編集部では、毎日脳を活性化させ、ハイパフォーマンスを発揮するために
なるべく座らない・階段を使うことを心がけています。
それは、脳の仕組みと大いに関連があるのです。

運動の機能は脳の表面中央付近(大脳皮質の一部)が司っています。
運動をして、脳の中心へ血流が活性化することはすなわち、
その経過で脳全体へ血流が回ることになります。

脳への血流量が増え、酸素と栄養が十分に行き届くことで
私たちの脳は本来持っている能力を十分に発揮できるのです。

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加藤 功甫

加藤 功甫

シニアコンサルタント株式会社Bodytune-Partners
NPO法人Connection of the Children 代表理事 一般社団法人日本スポーツ&ボディ・マイスター協会 ディレクター 横浜国立大学大学院修了。運動生理学修士。 元中高一貫校保健体育教師。 2011年、25社の協賛を得て、ユーラシア大陸2万キロを自転車横断。 各地の教育機関を訪問し、教育の可能性を研究。 2013年、非営利活動法人を立ち上げ、グローバルでローカルな教育プログラムを開発。全国の教育機関でプログラムを実施している。 2014年より、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会でスポーツイベントの企画運営に関与。 年間150回のイベントのオーガナイズを実施。 主な研修テーマはレジリエンス、マインドフルネス、コミュニケーション、チームビルディング、キャリア、多文化共生。 2013年、2014年トライアスロン(ロング)日本代表 2015年、サハラマラソン250kmを完走。 資格 小学校教諭専修免許 中学校教諭専修免許(保健体育) 高等学校教諭専修免許(保健体育) 水泳1級 書籍 『ユーラシア大陸自転車横断2万キロの旅』 (枻出版社 2012)

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