健康経営/働き方改革

「働き方改革」と「健康経営」の一体的推進のススメ

先月、政府は働き方改革の実行計画として、罰則付き残業上限を設定した長時間労働の是正など、9分野を盛り込んだ計画をまとめました。

2017年の人事課題としてますます注目が集まる働き方改革ですが、健康経営と一体的に推進する動きが注目を集めています。

そもそも、健康経営銘柄やホワイト500の認定取得のために必要な「健康経営度調査」の制度・政策実行の中には、
「長時間労働者への対応に関する取り組み」
「適切な働き方実現に向けた取り組み」
が盛り込まれており、これらは当然、働き方改革の内容と共通します。

評価項目の中に共通要素(長時間労働の是正、ワークライフバランス)が多いということは、一体的に取り組みやすいのは必然なのですが、ここで少し詳しく考えてみましょう。

 

「働き方改革」と「健康経営」は、なぜ一体的に推進をすると良いのか

 

1)働き方改革は罰則制度はあるが、企業を顕彰する制度がない(2017年4月時点)

2017年の安倍内閣最重要政策といっても過言ではない働き方改革ですが、特に目玉政策となっている「残業時間制限」については、原則月45時間、年間で360時間、多忙月は特例で100時間未満の残業を容認するとした内容で検討が進んでいます。

こちらは罰則(=ムチ)付き政策です。

対して、健康経営は「健康経営銘柄」に加え、新たに「健康経営優良法人認定制度~大規模法人部門(ホワイト500)~」が追加されるなど、国が企業にお墨付きを与える(=アメ)制度となっています。

つまり、働き方改革と健康経営は、内容として親和性が高いだけではなく2つそろえることで、「アメとムチ」の両面から促進され、企業価値評価がより高まることになるのです。

2)「健康」と「生産性」は車の両輪

3年連続で健康経営銘柄に選定されたSCSKでは、「働き方改革」「健康経営の推進」の
取り組みを通して、定量的成果をあげてきています。

◆実施効果:

時間外の削減
2008年度月間35時間 → 2015年度月間18時間

有給休暇取得率の向上
2008年度13日(67%)→ 2015年度19日(95%)

喫煙率の低下
2008年度36% → 2016年度19%

ウォーキング実施率の向上
2014年度34% → 2016年度74%

朝食摂取率の向上
2014年度71% → 2016年度88%

休肝日の実施率の向上
2014年度82% → 2016年度90%

歯科健診実施率の向上
2014年度31% → 2016年度75%

健康の意識が高い人の増加
2014年度19% → 2016年度55%

営業利益の推移
2010年度140億円 → 2015年度317億円

 

SCSKでは、働き方改革を起点として、健康経営も一体として推進してきた結果、5つの評価項目に加え、財務面でのパフォーマンスも評価され、健康経営銘柄に選定されました。

こうした取り組みの内容は、特に大企業向けのベンチマーク指標として大いに参考になるはずです。

SCSKプレスリリース
https://www.scsk.jp/news/2017/press/other/20170221.html

SCSKの「スマートワーク・チャレンジ」とは
https://jinjibu.jp/article/detl/tonari/1346/

 

因みに、「朝方勤務」の導入で知られる伊藤忠商事によると、「働き方改革を推進する上でのポイントは、社員の意識と業務プロセスにあり、この二つを変えると、確実に成果が出る」そうです。

推進のために、「あなたの健康のためでなく、企業力、企業価値向上のための経営戦略としてやっている」という姿勢を社員に発信し続けているそうです。

健康経営に取り組む際は、社員の意識変革の一要素として、こうしたアプローチもオプションにあると良いかもしれません。

 

今回ご紹介した2つの事例からみて、「働き方改革」と「健康経営」の一体的推進は現状「働き方改革」起点であることが多いようです。

これには様々な要因があると思いますが、いずれにしても、世の中のトレンドに合わせた対応ではなく、あくまで社内の人事課題に合わせて推進していくことが一番です。

 

「健康経営優良法人認定制度~大規模法人部門(ホワイト500)~」の認定は2020年までと期限が区切られているため、健康経営推進が中長期計画として人事目標が設定されている場合は、この機会にぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

実施運営の日本健康会議では、健康経営優良法人認定制度の実施数(参考値)が見える化されています。定点観測用としてぜひご活用ください。

日本健康会議データポータル ※宣言3、4を参照
http://kenkokaigi-data.jp/datamap/

 

なお、中小規模法人部門の追加認定情報は、経済産業省から発表され次第、当ブログでもお伝えする予定です。

 

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