書籍レビュー

「職場の問題地図」働き方改革を考える人事の皆様へオススメ健康本 vol.14

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加藤 功甫

加藤 功甫

シニアコンサルタント株式会社Bodytune-Partners
NPO法人Connection of the Children 代表理事 一般社団法人日本スポーツ&ボディ・マイスター協会 ディレクター 横浜国立大学大学院修了。運動生理学修士。 元中高一貫校保健体育教師。 2011年、25社の協賛を得て、ユーラシア大陸2万キロを自転車横断。 各地の教育機関を訪問し、教育の可能性を研究。 2013年、非営利活動法人を立ち上げ、グローバルでローカルな教育プログラムを開発。全国の教育機関でプログラムを実施している。 2014年より、日本スポーツ&ボディ・マイスター協会でスポーツイベントの企画運営に関与。 年間150回のイベントのオーガナイズを実施。 主な研修テーマはレジリエンス、マインドフルネス、コミュニケーション、チームビルディング、キャリア、多文化共生。 2013年、2014年トライアスロン(ロング)日本代表 2015年、サハラマラソン250kmを完走。 資格 小学校教諭専修免許 中学校教諭専修免許(保健体育) 高等学校教諭専修免許(保健体育) 水泳1級 書籍 『ユーラシア大陸自転車横断2万キロの旅』 (枻出版社 2012)

今回も働き方改革や生産性向上に役立つ書籍のレビューをお届けいたします。

今回ご紹介させていただくのは2016年に技術評論社より出版された職場の問題地図です。

「生産性向上」が謳われて久しく、各企業ごと、様々な施策を打っていますが、
なかなか思うような成果が見える化しない現状も。

本書「職場の問題地図」では、何からどのように着手し、生産性を高めていけば良いかを
納得感高く、端的にまとめています。

4つの観点から職場の問題を捉える

なぜ、日本の職場の生産性はいつまでたっても低いままなのか?

本書「職場の問題地図」の冒頭で筆者はまずこう問いかけています。
日本の労働時間の長さと生産性の低さは、常に叫ばれており、企業や自治体はその対策に追われています。

にもかかわらず、一向にその改善の兆しは見られません。

「ワークライフバランス」という名前の元、実施されている施策には大きく
2つあります。

1)残業時間の短縮
2)社員のコミュニケーション能力の向上

筆者は本書内で、

残業時間や、総労働時間は、結果でしかありません。結果だけの数字に着目して、仕事のやり方や組織のスキルなどのプロセスに目を向けない。これ、何の意味があるのでしょう?(中略)また、個人のスキルアップも大事ですが、それだけでは、仕事のやり方は良くならない。

すなわち、日本の職場には残業時間改善などの「制度」と、
コミュニケーション能力の向上などの「個人スキル」があることに加えて、
「プロセス」
「場」
の計4つの観点があると言っています。

「制度」「プロセス」「個人スキル」「場」の4つの観点から、職場の問題点を浮き彫りにし、
それぞれの現場にあう、解決策を見出してほしいと、著者は言及しています。

 

5つの仕事の要素とは?

そもそもの話になってしまいますが、「仕事をする」とはみなさんにとってどう言ったことでしょうか。

著者は本書内にて、

一言で言うと「インプットを成果物に変える」取り組みです。そのためには、「何のために、誰のためにその成果物を生み出すのか」を意識しなければなりません。

と言っています。
同時に、多くの仕事は、自分一人だけでなく、様々な人と連携しあいながら実施するもの。

仕事=「インプットを成果物に変える」は、そう考えると、次の5つの要素にまとめられます。

1)目的
2)インプット
3)成果物
4)関係者
5)効率

その仕事は何のために、誰のために行うか(目的)。その仕事を進め、成果物をうむためにどんな情報・材料・ツール・スキルなどが必要か(インプット)。生み出すべき完成物あるいは完了状態は?期限は?提出先は?(成果物)。巻き込むべき関係者・協力者は?インプットは誰(どこ)から入手すべき?成果物は誰のため?(関係者)。その仕事のスピードは?生産量は?コストは?人員は?歩留まりは?(効率)。

このどれか一つに問題が生じると、どうなるのでしょうか。
それは「仕事がうまく回らない」「職場に問題がある」状態になります。

それぞれ、ご自身の職場に当てはめていただき、職場の問題特定に一役をかってくれれば、
と著者は本書内で言っています。

見直すべき11のポイント

本書では、11の「職場あるある」が描かれており、それらがなぜ生じ、なぜ問題になっているのか、
についてそれぞれ章をわけ、解説しています。
それらの11のポイントは下記の通りです

01)手戻りが多い
02)上司・部下の意識がズレている
03)報連相ができていない
04)無駄な会議が多い
05)仕事の所要時間が見積もれていない
06)属人化
07)過剰サービス
08)「何を」「どこまでやればいいのか」が曖昧
09)仕事をしない人がいる
10)誰が何をやっているのかわからない
11)実態が上司や経営層に伝わっていない

それぞれの詳しい解説はぜひ本書「職場の問題地図」をご覧ください。

ここでは、「01)手戻りが多い」の内容をご紹介します。

手戻りが発生する原因は大きく4つあり、それぞれ

①いきなり100点を取ろうとすること
②状況の変化に対応できていない
③仕事のやり方や品質がバラバラ
④レスや判断が遅い

だと書かれています。

仕事を受けたタイミングで成果物のイメージを合わせをし、
都度状況を上司に確認することで、
修正が発生しても、その量は微量ですみます。

また、成果物のイメージが変わることは決して稀なことではありません。
変化をいち早く察知し、上司と部下間で共有するかがポイントとなります。

著者は、

手戻りは上流で防げ!

と言っています。人間、テレパシーは使えません。
成果物のイメージ合わせと、報連相設計を、仕事を依頼する際にしっかり部下と握っておく。
これがとても大切です。

編集部でも、手戻りを極力なくすべく、いつ、どのタイミングで(何ができたら)報連相をしあうか、
また、そもそも仕事を依頼するときに、成果物の大枠と、押さえておくべきポイントは何か、を
共有しあうようにしております。

結果として、仕事において互いに考えていたことが違っていて、
イライラする、とか、場の雰囲気が悪くなる、といったトラブルが以前より大きく減少しました。

みなさんも、ご自身の職場の問題地図を広げ、どのポイントに問題が生じているかを
一度考えてみるといいかもしれません。

 

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