健康経営・働き方改革を推進する企業インタビュー

【事例で学ぶ働き方改革】アクロクエストテクノロジー株式会社 ~社員がいきいきと働く会社の在り方~

健康経営や働き方改革の推進する上では、制度やシステムの導入だけではなく、社員の健康を第一に考え、心身ともにいきいきと働ける環境づくりが重要であるという考え方が主流となっています。

そんな中、どうしたら社員が本当にいきいきと働く組織づくりができるのか。

今回は日本における「働きがいのある会社(Great Place to Work® Institute Japan)」ベストカンパニーを2014年から5年間連続で受賞し、そのうち全国1位を3回、また、2015年度第5回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞(人を大切にする経営学会主催)」審査委員会特別賞他さまざまな賞を受賞して、企業からの視察件数は300件を超える、アクロクエストテクノロジー株式会社へ働き方改革・健康経営の取り組み事例について、お話をうかがいました。

企業プロフィール

【アクロクエストテクノロジー株式会社】

奈川県横浜市港北区新横浜3丁目17番地2 友泉新横浜ビル5F

1991年3月設立

従業員数:80名

IoTサービスの展開支援やシステムの受託開発、ITコンサルティングなどを行う。ビッグデータ分析や24時間365日稼働可能なシステムの構築が得意。

また、オーガニックサラダ専門のカフェ「Café de chou chou」の運営や自社の働き方改革の実績をもとにした職場改善コンサル「組織いきいき実践勉強会」などの事業を展開している。

「ソフトウェア業界は働く人間がすべて」として、創業当時から健康経営に熱心に取り組み、2018年2月には、「健康経営優良法人(中小規模法人部門)2018」に認定される。

2018年「働きがいのある会社」ランキング、従業員25~99名部門1位受賞。「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞、審査委員会特別賞。そのほかにも「よこはまグッドバランス賞」や「はばたく中小企業・小規模事業者30社」、「横浜健康経営認証」AAA認定など様々な賞を受賞、選定されている。

ホームページURL:http://www.acroquest.co.jp/

組織価値経営部 鈴木達夫(すずきたつお)氏

 


|2000年から全社禁煙!ヘビースモーカーの社長が一番に成功!

 

―――御社は働き方改革、健康経営に対して様々な取り組みをされていらっしゃると思いますが、こういった取り組みはいつ頃から行われていましたか?

ソフトウェアの業界は人間がすべてです。人が倒れると会社として立ち行かなくなるので、社員の健康は何よりも大事。そのため当社では91年創業当時から様々な取り組みを行ってきました。初めての大きな取り組みは、2000年からスタートした全社禁煙です。

―――今では全社禁煙という言葉をよく耳にしますが、2000年からスタートとは早いですね。

そうですね。きっかけは2つありました。1つは身体に悪いことですね。社員の一人に喘息持ちの人がいて、間接的に煙を吸うとせき込むことがありました。

2つ目は効率が悪いということです。たばこを吸う社員は度々、たばこ休憩をとっていました。また社員旅行の部屋分けや、飲み会の席次などさまざまなところで問題が発生していました。

そして、全社員会議でこの問題を話し合い、思い切って全社禁煙にすることが決まりました。

―――たばこを吸う人にとってはつらい取り組みではありますよね。当時反対意見などはありましたか?

ありましたよ。「仕事に影響は出ていないじゃないか」「個人の自由じゃないか」とか、「喫煙所でないと重要な話ができない」とか。

 

ですが、当時社長は1日2箱吸うヘビースモーカーだったのですが、「社員が決めたことなら」と、病院に行って禁煙パッチをもらい、社長が社内で一番初めに禁煙に成功しました。

そこから次々と社員も真剣に全社禁煙に取り組むようになりました。

 

|社員の健康を第一に、オーガニックサラダのレストランを経営!

 

―――御社では、社員の健康を考えて食事面でもユニークな取り組みをされていますね。

そうですね。1つは、オーガニックサラダ専門のレストランを経営し、社員食堂として活用しています。

社員の中には独身者も多くて、ランチは外食で済ますこともあり、栄養が偏っていました。

そこでどうしようかと考えたときに、社長がすごく料理が得意だったので、社長発案で「じゃあ社員食堂をやるか」と近くのお店を借りて、昼は社長が料理を社員にふるまう「社員食堂」、夜はダイニングバーを経営していました。

今では、このダイニングバーをオーガニックサラダ専門のレストランに切り替えています。

ランチ時間に一般客も利用でき、社員は社員価格で安く健康的なランチが食べられます。

―――毎日サラダ専門のレストランでランチが取れれば、大きな食事改善につながりますね。

そうですね。食事改善には他にも力を入れています。現在当社は社員寮が全部で4つあり、うち3つのシェアハウスタイプの寮では、必ず朝食を自分たちで摂ることをルールにしています。毎朝自分たちで作った朝食の写真をLINEにアップして報告を行っています。

寮での食事風景をLINEを通じて報告。毎日欠かさず作っている。

社員も凝り性の人が多いので、朝食メニューにも凝っていて、朝からしっかり食べています。

 

ほかにも、社内に置いている間食用のお菓子や社内の自販機の飲み物も、健康的なものに変えています。

 

|会社のことはみんなで決める!社員中心の会社

 

 

―――まさに社員の健康第一という取り組みですね。こういった取り組みは社長がすべて率先しているようなかたちですかね?

いえ、当社では、全体会議で全て決めていますので、そこで発案されたものばかりです。

 

実は社長が以前勤めていた会社は、上司に自分の意見を提案しづらい環境だったそうです。そのため「エンジニアが楽しく働ける会社にしよう」という思いから創ったのがこの会社です。当社は少し珍しい、会社で、あらゆることを全社員で話し合って決める「MA(Meeting of All staff)」という会議の仕組みを創立以来実施しています。

このミーティングでは、事業についてのことも話し合いますし、働きやすい環境づくりについてや社内旅行どこにいくかなど、どんなこと

でも全社員の意見を聞いて決定します。

たとえ社長の意見であっても、「MA」ではじかれれば却下されますし、逆に入社後間もない社員でも意見でも「MA」を通れば、実現できます。

 

―――社員の発案で始まった働きやすい環境づくりの取り組みとしては、どのようなものがありますか?

当社では毎日15時から15時15分に「コーヒーブレイク」といって業務を一切禁止にする時間を設けています。仕事が、頭を使った座り仕事が多いので、社員の提案でそのうち5分は音楽をかけて体操を行うようになりました。

ほかにも、副社長からの提案で「メディテーションタイム(瞑想)」というのも社員全員で取り組んでいます。

これは、一日の業務の終わりに社内の電気をすべて消して、インドのサンスクリット音楽をかけ、5分間瞑想をするというものです。

一日の出来事を振り返ったり、頭の切り替えができたりと、とても有意義な時間が過ごせるとして、数年前から続けています。

 

―――とても素晴らしい取り組みですね。「MA」を通じてどんなことでも言い合える社員同士の絆があるからこそ、実現した取り組みだと感じました。

そうですね。「MA」での話し合いは、全員が納得するまで話し合えるように、多数決を数の暴力と考え、禁止にしています。

また、「MA」では“3か月ルール”というのを採用しており、「MA」で決まったことは、3か月後に、引き続き継続するかどうか見直しています。

―――まず実践するということが、働きやすい環境を実現するためには重要ということですね。

 

|成果は変わらず残業がどんどん減っていったワケ

 

―――IT業界は残業が多いイメージがありますが、残業削減に関しては、どういった取り組みをされていますか?

6~7年前に社員の残業時間を削減するために「残れ9(ナイン)」という制度をスタートしました。

この制度は、夜9時以降まで残業する社員はホワイトボードに事前申告し、上司2人の承認をもらわないと残業できないという制度で、これにより、時以降の残業率は下がりました。

さらに「残れ9(ナイン)」制度は「帰ろう8(や)」となり、夜8時以降に変わりました。

今ではこの「帰ろう8(や)」も撤廃し、どんなに遅くとも夜8時までには全員退社するようになりました。

もともと当社で水曜日は残業禁止になっているので、長く残業する人でも、1か月の残業時間は十数時間になりましたね。

―――単に残業時間を短くするだけだと、仕事への影響はありませんでしたか?

仕事の成果は変わらなかったです。今まで何をしていたのだろうって思いますよね。

 

残業を短くしていったことによって、社員一人ひとりが効率よく作業するために考えるようになりました。また、それによってコミュニケーションも活発になり、スムーズに仕事ができるようになりましたね。

社員も勉強熱心なので、仕事の課題があれば自主的に集まって勉強会を行っていますし、それによってどんどん仕事の効率は上がっていきましたね。

加えて当社では、特性領域主義という考え方が浸透しています。

これは、個人でそれぞれの得意な領域で仕事をして、苦手なことはさせないという考え方で、チーム全体で助け合って業務を進めています。

一つの例として、10年以上前に、AS(アスペルガー症候群)の社員がいました。これに対して、どうしたらうまく仕事ができるかについて社員同士で勉強会を開き、自主的に対策を考えるようになりました。

 

そこから発展して開発されたのは「アクロノート(現在はアクロデイリーチェックノート)」です。

これは、15分単位で業務の予定と実績をまとめることができるノートで、社員が一日の最後に上司と予定に対する実績について話し、より効率的な業務の仕方を見つけることができます。

上司と膝を突き合わせて話ができるので、コミュニケーションの場づくりとしても有効に機能しました。

現在は一般向けに販売もしていて、特にまだ仕事の仕方がわからない新人研修などで活用してもらっています。

 

―――最後に御社の考える働き方改革・健康経営の取り組みについて一言お願いいたします。

当社での取り組みでは、多くの賞をいただいて、企業の経営人事の方々の視察を何度も受けてきました。その中で「どうすれば組織や社員がいきいきとするのか」というご質問を多くいただきました。

当社では創業以来ずっと社員がいきいきと働ける環境について考えて、「実践」してきました。中にはあまりいい効果が得られず、短い期間でやめることもありましたが、すべてがよい結果につながりました。

会社を社員第一に考え、社員のためにできることを「実践」していくことが働きがいのある会社につながるのだと考えます。

―――アクロクエストテクノロジー株式会社 組織価値経営部 鈴木様 ありがとうございました。

今回お伺いしたアクロクエストテクノロジー株式会社は、社員を第一に考え、多くの意見を取り入れ実践できる企業でした。

また、こういった自由な社風もさることながら、社員一人ひとりが勉強熱心で、「自分たちの会社」として働きやすい環境づくりを率先して動ける、組織全体としての取り組むものだという位置づけがいきいきと働く環境づくりにつながっているように感じました。

 

インタビューの最後にあった、働き方改革・健康経営を実践できる会社を目指す企業のために、本社では創業者の一人である副社長が講師を務める「組織いきいき実践勉強会」を開いています。
月に1回半年で全6回のコースがあり、今回記事で紹介しきれなかったアクロクエストテクノロジー株式会社が長年積み重ねてきた実践事例やすぐに取り入れられる実践策などをより詳しく聞くことができます。

組織・社員をいきいきさせたい、また詳しい事例に興味がある方はぜひ下記URLからお問い合わせ、お申し込みください。

【組織いきいき実践勉強会】

http://www.acroquest.co.jp/iki-iki/

 

(構成・文=健康経営のミカタ WEB編集長 池田 駿)

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